【消化器内科医が疑問を解消】ピロリ菌はキスでうつるの?
どーもお世話になります。
水野クリニックです。
ピロリ菌が胃潰瘍や胃がんの原因となることをみなさんご存知ですか?
このページを開いているということは「そんな基本的なことは知っているよ。」という方がほとんどだと思いますが、もし知らなかったらこっそりこちらのページをご覧くださいね。
現在名古屋市在住の20歳から39歳までの人であれば無料でピロリ菌検査を受けることができます。
これにより当院でも多くの若い人にピロリ菌検査を受けていただいております。(詳しくは名古屋市公式HP)
特にお子さんがみえる方やこれから子作りを考えている方の関心が高い印象です。
それもそのはず。
かわいいかわいい我が子にピロリ菌をうつしてしまうのはとても心配ですよね。
そこで今日は大切なパートナーやお子さんにキスをしてピロリ菌が感染してしまうのかどうかについて説明させていただきます。
またこのピロリ菌に関する悩みをどうやって解消するか、具体的な方法についても語らせていただきます。
この記事を読むだけでピロリ菌に対するモヤモヤした感情が吹き飛ぶようになっています。
それではいきましょう。
目次
結論、キスでピロリ菌がうつる可能性はあります。
ただし大人から子供へうつることはあっても、大人から大人へうつる心配はいりません。
ピロリ菌に感染するのは6歳未満の免疫が未発達な子供時代と言われています。
子供のころに知らず知らずピロリ菌を口にして感染してしまうことがほとんどです。
大人は免疫が発達しているため、他人とキスをしてもピロリ菌がうつる可能性は極めて低いです。
ピロリ菌に感染するタイミングは主に2パターンです。
①ピロリ菌に感染した水を日常的に使用している
②ピロリ菌を持っている両親からの口移し
特に両親からの口移しはピロリ菌感染の原因の8割を占めると言われています。
また現代の日本の生活用水は清潔ですのでピロリ菌に感染することはよっぽどありません。
ですのでお子さんにピロリ菌をうつさないためには、自分がピロリ菌を除菌するか口移ししないということです。
うむ。ピロリ菌が6歳未満の子供に両親の口移しで感染するのは分かった。
でも具体的に自分がどうしたらいいのかわからない。
そんな方へステップに分けて噛み砕いてご説明させていただきます。
①ピロリ菌の検査を受ける
②ピロリ菌がいたら胃カメラを受ける
③ピロリ菌の除菌治療を受ける
④ピロリ菌の除菌判定を受ける
⑤ピロリ菌除菌は基本的に一生に一度
まず第一歩としてピロリ菌の検査を受けることです。
冒頭で述べたように名古屋市在住の20歳から39歳までの方であれば検査を無料で受けることができます。
検査方法は血液検査です。最寄りの医療機関に検査可能かを問い合わせましょう。
20歳未満、40歳以上の方はピロリ菌検査を受ける前に必ず胃カメラを受ける必要があります。
これは保険診療の関係で決まっております。
またピロリ菌がいるかいないかは検査を受けないとわかりません。
ご家族(父、母、兄弟など)に胃がんやピロリ菌治療歴のある方がいれば、ご自身もピロリ菌を持っている可能性が上がります。
えっ、ピロリ菌がいたら胃カメラを受けないといけないの?
ここが皆さんの思わぬ落とし穴です。
実は保険診療にてピロリ菌を除菌するには事前に胃カメラを受ける必要があります。
ピロリ菌を除菌する目的は胃潰瘍や胃がんの予防です。
なのでそもそも除菌の段階で胃がんがあっては元も子もないため検査を受けましょう。
さぁ。いよいよ除菌治療です。
胃カメラを受けて胃潰瘍や胃がんがなければ除菌治療をおこないます。
2種類の抗生剤と1種類の胃薬を計1週間飲みます。
1週間飲むだけで治療はおしまいです。
意外と除菌判定を受けずにそのままになってしまうケースが多いです。
これは問題集をせっかく買って勉強したのに試験を受けなかったというパターンです。
せっかく除菌治療まで受けられたのなら、しっかり除菌できているかどうかを確認しましょう。
1週間お薬を飲んで1ヶ月から2ヶ月を目安に除菌判定をします。
検査時期に関して医療機関によって異なるので説明を受けてくださいね。
ちなみに除菌判定は呼気試験という息を吐く検査か便での検査になります。
便を出すより息を吐いたほうが患者さんも楽なので、今では呼気試験を行っている医療機関がほとんどです。
除菌判定のためにもう一度胃カメラを受ける必要はないのでご安心ください(笑)
ピロリ菌除菌後にピロリ菌に再感染する可能性は1%未満と報告されています。
つまり一度ピロリ菌の除菌をしたら基本的には一生除菌をしなくても良いということです。
ピロリ菌の胃の中で飼っている時間が長くなればなるほど胃がんになる可能性は高くなります。
そういったことからもピロリ菌検査を受けて若いうちに除菌をしておくことは大メリットとなるんです。
ただしピロリ菌を除菌したからといって将来胃潰瘍や胃がんが出てこないわけではありません。
定期的に胃カメラをおこなって病気になっていないかを確認することで真の効果を発揮します。
ここまでやればピロリ菌に関してはしばらく忘れていいです。
ピロリ菌感染がはっきりしないうちは小さなお子さんへのキスや口移しは控えましょう。
そして自分のためにも愛する我が子のためにも胃がんにならないためにピロリ菌検査を受けましょう。
休診日木曜午後/土曜午後/日・祝祭日 最終受付は診療終了の15分前となります。
胃→胃カメラ 大腸→大腸カメラ
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