ピロリ菌について
ピロリ菌ってなに?
ピロリ菌について詳しく知りたい。
ピロリ菌がいるとなにか悪いことでもあるの?
どんな検査をして、どうやって治療をするの?
こんなお悩みを解決します。
目次
・ピロリ菌は胃に寄生して、胃・十二指腸潰瘍やがんの原因になる
・胃がんの99%にピロリ菌が関係している
・ピロリ菌の除菌は潰瘍・がんの発症率を下げる
・除菌治療は3種類の薬を1週間飲むだけ
・なんだかんだ大事なのは内視鏡検査(胃カメラ)です
ピロリ菌は簡単に説明すると「胃の中に寄生して、潰瘍や胃がんの原因となる菌」です。
胃の中は強力な胃酸で保たれていて、通常細菌が住みつくことはできません。
しかしピロリ菌はウレアーゼと呼ばれる特殊な酵素を放出し、胃酸を中和することで胃のなかでも住み着くことができます。
胃の中にピロリ菌が住み続けることで慢性的な炎症が起こり、萎縮性胃炎となり胃潰瘍や胃がんを引き起こしやすい環境となります。
本邦では胃がん患者さんの実に9割にピロリ菌感染が認められています。
厳密にはピロリ菌に感染していなくても胃がんになることはあるのですが、少なくともピロリ菌に感染していることは胃がんになる確率をあげることになります。
ピロリ菌に感染するのは免疫力の未発達な乳幼児期とされます。
感染した親からの口移しや汚染された水を口にすると感染すると言われます。
一般的に高齢の方ほどピロリ菌に感染している確率が高く、60歳以上の方では実に半数以上の方がピロリ菌に感染しているという報告もあります。
ご家族の中にピロリ菌感染者の方がいる場合には、小さなお子様への口移しなどは注意しましょう。
基本的にピロリ菌に感染しているだけでは症状は出ません。
しかしながらピロリ菌感染によって慢性胃炎を発症している方の中には、消化不良や日常的なお腹の張りを訴えられる方もみえます。
またピロリ菌感染が原因で胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどを生じることがあるため、これらの病気がきっかけとなって感染に気づくケースも少なくありません。
ピロリ菌検査を受けるきっかけは主に3つあります。
1つは胃カメラを受けてピロリ菌感染を疑った場合です。
実は胃カメラで胃の粘膜を観察するだけで、ピロリ菌に感染しているかどうかをある程度判断することができます。
内視鏡検査でピロリ菌感染を疑う所見があれば、保険診療でピロリ菌検査を行うことができます。
中にはピロリ菌検査だけを希望されて来院される方が見えます。
しかし内視鏡検査で胃潰瘍や慢性胃炎の存在を確認せずにピロリ菌検査を保険診療で行うことはできないため、あらかじめご注意ください。
2つ目はABC胃がんリスク検診を受ける場合です。
ピロリ菌の有無とペプシノーゲンを測定して胃がんリスクを判定する検診です。
3つ目は2021年10月より開始となる名古屋市のピロリ菌検診です。
名古屋市在住の20歳から39歳の方を対象とした検診で、胃がんの元凶となるピロリ菌の有無を無料で調べることができます。
ピロリ菌検診が広まることで、今後若い世代の胃がん発症率を低下することが期待されています。
詳しくはこちらをご覧ください。
→名古屋市ピロリ菌検査のご案内
ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる方法は複数あります。
当院では主に4つの方法でピロリ菌感染の有無を調べております。
血液検査でピロリ菌に対する抗体があるかどうかを判定します。
ピロリ菌に対する抗体を持っていれば、かつてピロリ菌に感染していた可能性があります。
除菌後の方でも陽性と出てしまうため、除菌歴のある方においては今現在ピロリ菌に感染しているかを判定することはできません。
検査結果は1週間ほどでわかります。
尿検査でピロリ菌に対する抗体があるかどうかを判定します。
ピロリ菌に対する抗体を持っていれば、かつて感染していた可能性があります。
除菌後の方でも陽性と出るため、除菌歴のある方においては今現在ピロリ菌に感染しているかを判定することはできません。
検査結果は1週間ほどでわかります。
試験薬を飲んで息を吐いていただきます。
吐いた息の成分からピロリ菌に感染しているかどうかを判定します。
抗体検査とは違い、今現在ピロリ菌に感染しているかどうかを判定することができます。
便の中のピロリ菌を判定して感染しているかどうかを調べます。
今現在ピロリ菌に感染しているかどうかを判定することができます。
ピロリ菌の除菌治療は薬を1週間飲むだけで済みます。
2種類の抗生物質と1種類の胃酸の分泌を抑える薬を朝夕1日2回内服していただきます。
1回目の除菌治療でだいたい90%の方が除菌に成功します。
しかし残りの10%の方は残念ながら除菌に失敗してしまいます。
もし1回目の除菌治療が成功しなかった場合は、薬の内容をかえてもう一度1週間薬を内服していただきます。
2回目の除菌治療が終わった時点での除菌成功率はおよそ95%と言われています。
※保険診療で行える除菌治療は2回までとされています。2回目以降の除菌治療は保険診療外となりますが、消化器病専門医としての経験を活かしかなり高い割合で除菌することができます。
どんな薬にも副作用が出る可能性があります。
除菌治療薬で起こりやすい副作用として軟便や下痢、味覚異常が挙げられます。
こういった症状は多くは数日以内に治まります。
中でも特に気をつけていただきたい症状として、蕁麻疹や血便などがあります。
蕁麻疹は薬に対するアレルギー反応である可能性があります。我慢して継続して内服すると症状を悪化させてしまう恐れがあるため、休薬して一度受診されることをお勧めします。
また抗生物質が原因で腸炎を起こしてしまうことがあるため、血便がある場合には早めに受診をしてください。
ピロリ菌の除菌治療が終わったら、今度はピロリ菌が実際に除菌できたかどうかを判定する必要があります。
除菌判定は除菌治療薬を内服し終わってから2ヶ月間隔をあけて行います。
除菌判定は基本的には呼気テスト(尿素呼気試験)を用います。
もう一度胃カメラをする必要はないのでご安心ください。
①検査は空腹の状態で行います。
②まずは検査薬の服用前に、呼気をバッグで回収します。
③続いて検査薬を服用し5分横になります。
④その後15分座って待っていただきます。
⑤再度別のバックで呼気を回収します。
バックに入った呼気を調べてピロリ菌に感染しているかを判定します。
検査結果は1週間ほどでお伝えすることができます。
※何らかの理由で呼気試験ができない方は便中抗原検査で除菌判定を行っていただくこともできます。
休診日木曜午後/土曜午後/日・祝祭日 最終受付は診療終了の15分前となります。
胃→胃カメラ 大腸→大腸カメラ
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