麻酔薬を使用した胃カメラってどんな感じですか?【鎮静下胃カメラのまとめ】


こんにちは。名古屋市中川区水野クリニック、医師の水野創太です。


胃カメラを初めて受ける方にとっては、検査を受けるだけでもものすごい勇気がいりますよね。


また以前胃カメラを受けて苦い経験のある方にとっては、2度と検査を受けたくないと思うのも無理な話ではないです。


そういった方に向けて、麻酔薬を使用して行う胃カメラについてお話をさせていただきます。


でも、



「麻酔薬をつかって胃カメラを受けたいけど大丈夫かなぁ?」

「私でも麻酔を使って検査ができるかなぁ?」

「楽に検査ができるって聞いたけど、デメリットはないの?」



というように、麻酔と聞くとなんとなく怖かったり、二の足を踏んでしまいがちです。



この記事によって少しでも多くの方が胃カメラを受けていただけると嬉しいです。



それではいきましょう。

目次

胃カメラには「のど/鼻麻酔」と「静脈麻酔」の2種類ある


胃カメラで使用する麻酔は2種類あります。

① のど、鼻の麻酔


鼻から胃カメラをする場合も、口から胃カメラをする場合も、カメラが通過するときに不快感が生じやすいです。その不快感を軽減するために鼻からカメラをする時は鼻の麻酔をおこないます。


一方口からの胃カメラをするときは、のどの麻酔を行います。


のど/鼻麻酔にはキシロカインと呼ばれる薬が全国的に使用されています。


歯医者さんで使われる薬と同じ成分なので、薬に対するアレルギーの有無を検査前に確認をされることが多いです。


歯医者さんの麻酔で気分が悪くなったり、アレルギーが出たことのある方はキシロカインの使用を避けます。

② 静脈麻酔(眠って検査)



のど/鼻麻酔は胃カメラをするほぼ全ての患者さんで行われます。(※アレルギーなどの特別な理由がない限り)


一方、静脈麻酔は眠った状態で検査をする時に使用されます。


検査前に血管を確保して薬を投与します。薬の効きが早い方だと十数秒で眠ってしまいます。


眠っている間に検査を行うことで、検査中の「おえっ」とする感覚が従来の検査に比べ大幅に軽減することができます。


眠った状態で胃カメラを受けるのはどんな気分?


実際に眠った状態で胃カメラを受けるのってどんな感じなのか気になりますよね。


むしろそこが1番気になるところだと思います💦


私自身これまで麻酔薬を使用した検査を病院、クリニックを通じて8000件以上見てきました。



薬の効きこそ個人差がありますが、9割以上の方は「起きたら検査のことを忘れている」という印象があります。


また麻酔薬を使用しても検査中覚醒している方が見えます。しかし検査後1時間ほど睡眠して覚醒すると、検査自体の記憶がないという方をしばしば経験します。


麻酔薬が使用できない人もいる



検査中の苦痛を軽減するためにも麻酔薬はとても有用です。

しかし麻酔薬の使用には誤嚥の危険性や薬が効きすぎるリスクを伴います。



・嚥下機能の悪い方

・中等度以上の呼吸器疾患をお持ちの方

・腎機能の悪い方

・薬に対するアレルギーをお持ちの方



これらに該当する患者さんは麻酔薬を使用するリスクが高くなります。


検査の是非に関しては担当の先生に必ずご相談ください。


メリットがデメリットを上回らない場合、麻酔薬を使用せず検査を行うこともあります。


お酒の強い人、睡眠薬を飲んでいる人は麻酔が効きにくい


麻酔薬を使ったのに思っていたほど眠くならなかった方もたまにみえます。


一般的にお酒の強い方や睡眠導入剤を常用されている方は薬が効きにくいと言われています。


そういった方はもしかしたら薬の効きが悪いかもしれません。


とはいえ、そういった方も麻酔薬を使用することで検査による不快感を軽減することはできている印象を受けます。


麻酔薬を使用するデメリット


▶︎覚醒するまで1時間ほど横になる必要がある

多くの医療機関では麻酔薬を使用したあと、しっかりと覚醒するまで1時間程度ベッドで横になっていただきます。

覚醒するまでの時間が使用した薬の量や患者さんの背景によって個人差があります。

家事や仕事で忙しい方にとっては検査後横になっている時間が惜しいところですが、安全を確保するためにどうしてもこの時間は必要になります。


▶︎車、自転車の運転が当日できなくなる

目が覚めてから結果を説明して帰宅していただくのですが、麻酔薬を使用した当日は自動車、自転車の運転を許可することはできません。

しっかり覚醒したと思っていても、使用した麻酔薬が体に残っている可能性があるため事故や安全の面からも運転をすることはできません。

公共交通機関を利用するか、ご家族に迎えにきていただくなどの対応が必要になります。

麻酔薬に関するよくある質問


▶︎そのまま目が覚めないなんてことないですか?


麻酔薬はからだの中で代謝・分解されます。時間が経過すれば必ず効果は失われます。覚醒までの時間には個人差がありますが、目が覚めないことはまずないので安心してください。


▶︎頭がおかしくなることはないですか?


少なくとも僕の経験上麻酔薬を使って検査された患者さんで頭がおかしくなった方は一人もみえません。


胃カメラが苦手な人にとって麻酔薬は有効な選択肢です



慢性胃炎の患者さんやピロリ菌除菌後の患者さんは、早期胃がん発見のためにも年一回の胃カメラが推奨されています。


人によっては毎年の検査のことなので、できる限り苦痛を軽減する意味では麻酔薬は有効な手段と考えております。


初めて麻酔薬を使って検査を考えている患者さんにとってはとても不安なことだと思います。


わからないことがあれば主治医の先生に積極的に相談してくださいね。

名古屋市中川区山王 水野クリニック
内科 消化器内科 外科 整形外科 皮膚科

〒454-0011
愛知県名古屋市中川区山王1丁目8-22

名鉄山王駅から徒歩1分

駐車場8台完備

採用お問い合わせ・エントリーはこちら
診療時間

休診日木曜午後/土曜午後/日・祝祭日 最終受付は診療終了の15分前となります。

胃カメラ・大腸カメラ 検査時間

胃→胃カメラ  大腸→大腸カメラ

2024年 12月
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
1
2
3
4

休診日

午前休

午後休

臨時休診