大腸がんにならないために今できること【中川区から大腸がんを撲滅する】
大腸がんにならないためにはどうしたらいいですか?
大腸がん検診で陽性になりました。どうしましょう?
若くても大腸カメラはやった方が良いですか?
ポリープはどのくらいでがんになりますか?
こんな疑問にお答えします。
●本記事の内容
・大腸がんは未然に防ぐことのできるがんである。
・大腸がんにならないために今からできること
●記事を書いている私の紹介
この記事を書いている僕は、現在内科医として勤務しています。
大腸がんの患者さんを診てきた経験からお話しさせていただきます。
大腸がんの患者さんは近年増加傾向にあります。
原因の1つとして「食事が欧米化したこと」があげられます。
食の欧米化の全てが悪いわけではありません。
美味しいものを食べながら、がん予防をしっかりすれば怖いことはありません。
しかし大腸がんの検査というと、一般的には大腸カメラが思い浮かびますよね。
患者さんの大腸カメラへの苦手意識から、なかなか検査が行われていない現状もあります。
多くの大腸がん患者さんを診てきた経験から、「予防」こそが大腸がんで悲しまないための最善の方法であることを痛感しました。
消化器内科医の中では「大腸がんは定期的に検査を行えば防ぐことのできるがんである」という認識があります。
少しでも多くの方にその事実を届けたいと思って記事を書いております。
そして当院のある名古屋市中川区の大腸がん患者さんを撲滅したいという思いからメッセージを送らせていただきます。
目次
大腸がんを防ぐ最善策は「予防」です。
一般的に大腸がんは、がん検診や大腸カメラで未然に防ぐことのできるがんです。
大腸がんにかかる患者さんは1年でおよそ16万人といわれています。(2017年統計)
参考文献:国立がん研究センター がん情報サービス
大腸がんは特に女性ではがん死亡1位となっています。(男性でもがん死亡3位と上位にランクされます。)
大腸がんは罹患する人が多く、死亡者数も多いがんということです。
実は大腸がんは、がん検診を受けても放っておかれるがんとしても有名です。
名古屋市の大腸がん検診には、免疫便潜血検査(2日法)が使用されています。
患者さんに大便を2日に分けてスティックで取っていただき、便に血が混じっていないかを確認する検査です。
基本的には2本のうち1本でも陽性(便に血が混じっている)が出たら、大腸カメラを行うことをお勧めします。
しかし大腸カメラに対するネガティブな印象があるせいか、検便で陽性がでたものの大腸カメラはやりたくないということをしばしば経験します。
今は大腸カメラの技術も進歩し、なるべく苦痛がなく検査が行えるような工夫がされています。
一言で大腸がんといっても遺伝背景や病理学的な違いなど個人差があります。
進行の早いがんもあれば、遅いがんもあります。
一般的に大腸がんは他のがんに比べ、比較的進行の遅いがんと言われています。
大腸にできた「腺腫」と呼ばれるポリープが5-10年かけて徐々に成長し、最終的に大腸がんになるとされています。
全てのポリープががんになるわけではありません。大腸ポリープのがん化率はおよそ5%と言われています。
ポリープのサイズが大きくなればなるほど、がん化する確率は高くなります。
少なくともできたばかりのポリープが大腸がんになるまでには猶予があるということです。
ポリープであるうちに切除しておくことで、将来大腸がんになる確率や大腸がんで死亡する可能性を大きく減らすことができます。
「大腸ポリープを疑う症状って何かありますか?」と聞かれることがあります。
残念ながら大腸ポリープだけでは自覚症状はほぼ出ません。
肛門に近いところに出血しやすいポリープができれば可能性はゼロではないですが、一般的にその可能性は低いです。
症状が出たときには、お腹の手術や抗がん剤治療を必要とするような「進行大腸がん」であることがほとんどです。
ですので症状がないうちにポリープを発見し、早いうちに大腸がんの芽を摘んでおく必要があります。
そのためには大腸がん検診(便潜血検査)と大腸カメラが必要になります。
今日の本題である「大腸がんにならないために今できること」について話を進めていきます。
大腸がんを予防するには、症状のないうちに検査をする必要があることをお話ししましたね。
早期発見を目指すためにも、まずお勧めするのが大腸がん検診です。
大腸がん検診では、免疫便潜血検査をおこないます。
事前にお渡ししたキットで大便を採取していただき、採取した便に血液が混じっていないかどうかを確認します。
血液が混じっていれば「陽性(+)」
血液が混じっていなければ「陰性(−)」
と判定します。
基本的に陽性(+)であれば、特別な理由がないかぎり大腸カメラを含めた詳しい検査を受けることをおすすめします。
実は問題になるのは陰性(−)の場合です。
残念ながら便潜血検査(検便)のみで大腸がんの有無を判定することはできません。
実際に大腸がんである方が便潜血検査(検便)を行った場合、約3割の方は陰性(−)であるいう報告もあります。
便潜血検査で陰性になったとしても、大腸がんでないという証明にはなりません。
自覚症状がある場合には必ず大腸カメラを受けましょう。
便潜血検査で陽性(+)判定がでた場合、大腸カメラを含めた詳しい検査が必要になります。
大腸カメラへの苦手意識から、陽性(+)と判定されても検査を受けない方がしばしばみえます。
最近ではCTを応用したCTコロノグラフィーや大腸カプセル内視鏡と呼ばれる検査が普及し、大腸カメラを挿入することなくポリープの有無を判定することができるようになりました。
しかしながらいずれの検査も大腸ポリープを切除することができないため、ポリープがあった場合、大腸カメラで切除する必要があります。
これまで一度も大腸カメラを受けたことのない方や直近5年間で大腸カメラを行ってない方は大腸カメラを受けることを強く勧めます。
前年度に大腸カメラを行いポリープが複数個あった方も、できる限り大腸カメラを受けることをお勧めしています。
便潜血検査が陽性になったタイミングで、大腸カメラを行うかどうかの判断は医師によって多少異なります。
担当の先生と話し合った上で、検査を受けるべきかどうかを決めることをお勧めします。
40歳を超えると大腸がんにかかる人が増えてきます。
参考文献:国立がん研究センターがん情報サービス
大腸がん検診を40歳から受けることができる理由もこういったデータに由来しているものと考えられます。
実際に40代で大腸がんにかかる確率は比較的低いですが、若くして大腸がんと戦っている患者さんがみえるのも事実です。
若いうちにポリープを切除をしておくことが予防につながる以上、便検査が陰性(−)であったとしても大腸カメラを受けておくことをお勧めいたします。
大腸がんを疑う便の異常にはさまざまな症状があります。
・便に血がつく
・便秘がなかなか治らない
・お腹が痛かったり、張ったりする感じがする
・便秘と下痢を繰り返す
・体重が減ってきている
大腸ポリープのみで自覚症状が出ることは稀です。
自覚症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。
すぐに治療をしなければいけない病気が潜んでいる可能性もあります。
症状とがんの進行には必ずしも相関性はありません。
大きな病変でも転移がない場合もあれば、小さな病変でも進行しているケースもあります。
結果を知るのは不安だと思いますが、なるべく早く病院を受診しましょう。
今日の話のまとめです。
・ポリープは早いうちに切除しておく
・ポリープだけでは自覚症状はでない
・無症状の段階で大腸カメラを受ける
・症状があればすぐに病院を受診する
・40歳までに1度は大腸カメラを受ける
何度も言って申し訳ないのですが、大腸がんにならないためには「予防」が最善策です。
大腸カメラとなるとなかなか勇気がいるかもしれません。
しかし1度検査をしていただき所見がなければ、数年は検査を受ける必要がないことがほとんどです。
自分のため、大切な人のためにも大腸がん検診、大腸カメラを受けてください。
当院では鎮静剤を使用した苦痛の少ない大腸カメラを行っております。
休診日木曜午後/土曜午後/日・祝祭日 最終受付は診療終了の15分前となります。
胃→胃カメラ 大腸→大腸カメラ
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