なかなか治らない「しもやけ」との戦い方【原因から予防、治療までまとめました。】


今回のテーマは「しもやけ」です。


毎年寒くなると、手や足の先のしもやけで受診する患者さんが多く見えます。

毎年しもやけに悩まされている。

温めたりしてもなかなかよくならない。

暖かい季節が来るまで我慢するか・・・。



人それぞれ感じ方や対処法は違います。


特に最近は手洗いやアルコール消毒をする機会が増えており、例年に比べ症状が強くなったり、長引くことが予想されます。


毎日使う手足だからこそ、気持ちよく生活を送るためにもケアが必要になります。


今回はそんな「しもやけ」との戦い方について書きました。


どれも誰でも簡単に取り組むことができるケアなので、今日から早速使えるものばかりを選びました。


それではいきましょう。


今回のポイントは次の通りです。




●なかなか治らない「しもやけ」との戦い方

・温冷差を極力減らす

・入浴とマッサージは必須

・身につけるものは温かく、ゆったりとしたものを

・ビタミンEはしもやけに対して有効

・軽い運動や腹式呼吸を心がける


●記事を書いている私のご紹介

名古屋市中川区、名鉄山王駅前の水野クリニック医師の水野創太です。

普段は診療所にて内科、皮膚科、整形外科、外科など幅広い範囲の患者さんを診察しています。

日常の気になる症状などに対して、患者さんにわかりやすい説明ができるように心がけています。

目次


しもやけは体を守ろうとする防衛手段


なぜ「しもやけ」は寒い季節に起きるのか?

ヒトは寒い環境では、体から熱が逃げないように反応します。

具体的には手足の末端の血管を収縮(キュッとしめること)させることで、体から熱が逃げるのを防ぎます。

ヒトの体において心臓や脳はとても重要な臓器です。それに比べると手足の先の血管はそれほど重要なものではありません。

ゆえに寒い環境にさらされると、ヒトは手足の血管を優先的に収縮させて熱の放出を防ぐのです。


しもやけの原因は血管の収縮や拡張


しもやけの原因は血管の収縮(キュッとしまること)や拡張(広がること)の繰り返しです。

指先の血行が悪いと、そこで炎症を起こします。

炎症が起きると痛みや赤みが皮膚にでます。

これがしもやけのメカニズムです。

また、しもやけは体の先端部分であれば生じうるので、耳たぶや鼻の先などにもでます。

症状のある方は指先だけでなく、耳や鼻のケアにも注意しましょう。



「あかぎれ」や「凍傷(とうしょう)」との違い


しもやけは医学的には「凍瘡(とうそう)」と言います。

しもやけと症状の似た病気に「あかぎれ」と「凍傷」がありますが、どちらも寒い季節には気をつけなければいけない病気です。


「あかぎれ」は字の通り、指先が赤く切れてしみるような症状が出る状態を言います。寒さ刺激に皮膚の乾燥が加わって、ひび割れが出ることが原因です。


「凍傷(とうしょう)」は低温環境で指先の組織自体が凍ってしまう病気です。氷点下の極寒登山やスキーで指先が凍ってしまい、血流が途絶える状態をイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

凍傷(とうしょう)は凍瘡(とうそう、しもやけ)よりも寒い環境で起きます。また凍瘡(とうそう、しもやけ)よりも状態が悪く、重症化すると組織が壊死(えし)して、外科的処置が必要になることがあります。


なかなか治らない「しもやけ」との戦い方


それでは実際にどのように「しもやけ」と戦うかを説明していきます。


温冷差を極力減らす


しもやけが起きるのは、周りの環境で温度差が生じて指先の血管が収縮する時です。特に1日の温度差が10℃を超えるような春先や秋口にかけて症状が出始めやすいとされています。


また日常生活の中でもよく経験する場面の中にも、しもやけを引き起こしやすくする習慣が隠れています。


例えば

(例1)朝寒いなか、かじかむ手をこすりながら通勤をして、暖房のきいたあたたかい職場で仕事をはじめる。

(例2)朝寒いけど息子のために弁当を作る。時間もなくて、節約のために我慢して冷たい水で水仕事をしないといけない。

例1も例2も環境が「冷→温」「温→冷」に急激に変わっています。

急激な温度変化は血管の収縮、拡張を引き起こしやすくします。

例1の対処法としては、通勤時に手袋をつけたり、ホッカイロを持つなど防寒対策をしましょう。

例2の対処法としては、水仕事をするときは水の温度がぬるくなってから始めること。どうしても時間がなかったり、節約を考える場合は、手袋をして少しでも冷たい水に触れないように注意をしましょう。


入浴とマッサージは必須


入浴すると温かい刺激で血管は拡張(広がる)します。

広がった血管にマッサージをして血液を流してあげると、指先に血流が改善します。

マッサージをするタイミングとしては入浴中やお風呂上がりが効果的とされています。

マッサージ方法ですが、赤くなった部分を直接マッサージするよりも、手前の指関節や手足首の関節を包むように血液を流してあげると血液が手の先に行き渡りやすくなります。


身につけるものは温かく、ゆったりしたものを


寒い季節は体を冷やさない工夫が必要です。

指先を温める手袋やホッカイロ、靴下はもちろん、耳当てやマフラーなどの防寒具には気を使いましょう。

特にタイトなパンツやきゅうくつなヒール、ブーツなどは足を締め付けて血行を悪くしやすいアイテムです。

なるべくゆったりとした温かいものを選びましょう。

また濡れたままの衣類を着ていると体温を奪われます。

ランニングをしたあと汗をかいたウエアを着たままでいると、どんどん体温が奪われます。汗を拭き取ったり、すぐに着替えるなどの対策をとりましょう。


ビタミンEはしもやけに対して有効


長らくしもやけで困っている方は皮膚科受診をお勧めします。

「しもやけごときで受診する必要なんてないでしょ」


と考えがちですが、しもやけに対する薬は保険診療で処方することができます。

一般的に病院で処方されるしもやけの薬として、ビタミンE含有の外用薬や保湿薬があげられます。

ビタミンEには血管を拡張させる効果があります。また体内で活性酸素の働きを抑える効果も同時に持ち合わせています。


お風呂上がりや寝る前に、指先をマッサージしつつ塗りこむことを外来では指導しています。


ぬり薬は、「塗らなくても症状がでないくらい気温が温かくなるまで」は継続することをお勧めします。


迷う場合には主治医の先生と相談して決めましょう。


軽い運動や腹式呼吸を心がける

筋肉には脂肪を燃焼させて、運動によって熱を生み出す作用があることはみなさんもご存知だと思います。

もう1つ筋肉には全身の血行を良くする作用があるのをご存知でしょうか?

足の筋肉には、足に溜まったリンパ液や血液を心臓へ送るポンプ機能があります。運動不足で足の筋力が落ちると、ポンプ機能が低下し、足が浮腫みやすくなります。

おうちの中にいても、スクワットやつま先立ちをして血行を良くなるような習慣を心がけましょう。

また近年「深呼吸・腹式呼吸」が健康に良いとのことでフォーカスされています。

深呼吸や腹式呼吸は副交感神経というリラックスする方向へ体を促し、その結果末梢(末端)の血管拡張作用が期待できます。

まとめ


それでは今日のポイントのまとめです。


・なるべく温冷差をなくすような生活を心がける

・入浴、マッサージ、塗り薬は寝る前に習慣化する

・軽い運動や深呼吸は血行を改善する

・症状が長引く場合は受診を


しもやけはなかなか治りにくい寒い時期の病気です。

塗り薬だけではなく、日頃のケアが症状の緩和に繋がります。

当院ではしもやけの診療にも対応しております。そのほかにも日常で困ったことなどがございましたらご相談ください。

名古屋市中川区山王 水野クリニック
内科 消化器内科 外科 整形外科 皮膚科

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