バレット食道って何?
目次
バレット食道とは、胃酸や胆汁酸の逆流が原因で、傷ついた食道の粘膜が胃の粘膜に置き換わった状態を指します。
もともと食道は扁平上皮、胃は円柱上皮と呼ばれる組織学的に異なる粘膜をそれぞれ持っています。
胃酸や胆汁酸が逆流をして食道(扁平上皮)の粘膜に傷がつくと、なぜか修復された粘膜は胃(円柱上皮)の粘膜に置き換わってしまいます。
この置き換わった粘膜をバレット食道(Barret食道)と呼びます。
バレット食道は将来食道腺癌(せんがん)になるリスクがあり、前癌病変として注意する必要があります。
バレット食道はその長さから2種類に分類されます。
3cm未満:ショートバレット食道(SSBE)
3cm以上:ロングバレット食道(LSBE)
食道腺癌の発癌リスクはSSBEよりもLSBEの方が高いと言われています。
日本におけるバレット食道の発生率は報告によって開きはありますが、
LSBEは約0.3%、SSBEは約15.8%と報告されています。
また胃酸の逆流は食道の粘膜を傷つけるため、逆流性食道炎のある人はバレット食道になりやすい傾向にあります。
日本で行われた研究ではLSBEから年間1.2%の確率で発癌すると報告されています。
SSBEからの発癌頻度は日本でははっきりとしたデータは出ておりません。
欧米の研究ではバレット食道の発癌率は0.3〜0.6%とされ、特にSSBEからの発癌率は0.24%という報告もあります。
欧米では食道癌の半数以上がバレット食道などから発生する食道腺癌(せんがん)とされており、一方日本人の食道癌の9割は扁平上皮から発生する食道扁平上皮癌(へんぺいじょうひがん)です。
日本人の喫煙率が下がり、食が欧米化して逆流性食道炎のリスクが高まって昨今、バレット食道からの腺癌の発生は確実に増えていると言われています。
バレット食道に特有の自覚症状はございません。
ただ逆流性食道炎のある方は胸焼けや胃の不快感を感じて受診される方も見えます。
バレット食道の診断は胃カメラでおこないます。
バレット食道そのものに対する治療は特にございません。
ただ胃酸や胆汁酸の逆流を抑えるためにも、食生活を見直したり減量したりなど生活習慣の改善は効果的です。
また定期的に胃カメラを受けて発癌の可能性があれば組織を摘む検査(生検検査)をすることで、早期発見・早期治療につなげることができます。
バレット食道と診断された方は定期的な胃カメラが推奨されます。
特にLSBEと診断された方は年1回を目安に胃カメラを受けましょう。
ただすぐに、そして絶対にがん化するわけではありませんので、診断されても過剰に心配する必要はございません。
休診日木曜午後/土曜午後/日・祝祭日 最終受付は診療終了の15分前となります。
胃→胃カメラ 大腸→大腸カメラ
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