消化器内科医が大腸カメラをここまで勧める理由【心の底から伝えたい】
こんにちは。
中川区山王駅前、水野クリニックの水野創太です。
私は以前から当ブログ内で「皆さんには是非大腸カメラを受けていただきたい」と何度も勧めてまいりました。
中川区から大腸がんで苦しむ人を本気で撲滅させようと考えている私といたしましては、自分の啓蒙活動がまだまだ不十分であると真摯に受け止めております。
今日は消化器内科医がなぜここまで大腸カメラを勧めるのかを再度ご説明させていただきます。
「もう水野の話は聞き飽きたよ」という方は他の記事をお楽しみください(笑)
本当は聞きたくないけど水野の願いだし、しょうがないから聞いてやろうと思ったそこのあなた・・。
ありがとうございます。
今回の話がみなさんにとって有益なものとなるよう一生懸命説明させていただきます。
この話はあなた自身だけでなく、両親、兄弟、大切な人、友人全ての人に当てはまる内容です。
そしてあなたのアドバイスが大切な人の命をも救う可能性があります。
詳しくは記事で説明をさせていただきます。
それではいきましょう。
目次
今や日本人の半数が癌になる時代です。
私たち人間には正常性バイアスといって「自分だけは大丈夫だろう」と思う心理学的特性が備わっています。
例えば新型コロナウイルスが流行していますが、まさか自分は大丈夫だろうと思っって感染をした人は実際にかなりいます。
ですので自分に限って大腸がんにかかるわけないとは思わずに、自分にだって大腸がんになる可能性があるんだと思った方が妥当かも知れません。
統計データでは、大腸がんは2019年のがん死亡数で2位、2017年のがん罹患数(かかった人)で1位になっています。
他のがんと比べても上位にランクインしており、大腸がんは私たちにとって身近ながんであるというイメージをまずは持っていただきたいです。
基本的な考え方として、大腸にできたポリープが数年かけて成長し大腸がんになります。
「基本的」というのは大腸がんにも病理学的に増殖の早いタイプもあれば遅いタイプもあるので、成長スピードを一概には説明できないという意味です。
しかしながら多くの場合は大腸ポリープができてから数年かけてゆっくりとがんに発展するとされています。
もちろん全てのポリープが癌化するわけではなく、ポリープのまま生涯癌化しないものもあります。
ですが大腸がんになる可能性を持った大腸ポリープを放っておくのは気持ちが悪いものですよね。
ですから「大腸がんになる前にポリープを切除しておいて、がんを予防しましょう」という考え方が消化器内科医の基本的な考え方なんです。
でも大腸カメラはなんか怖いし、大掛かりなイメージがあるから初期症状が出てから検査するのは遅いの?と思われる方もいるでしょう。
大腸がんの初期症状として便秘や血便、便が細い、体重減少などがよくテレビやインターネットで紹介されています。
でも実はこれらの症状は本当の意味での初期症状ではないんです。
これらの症状は厳密には「進行がん」の初期症状です。
例えば大腸がんができて便の通り道が細くなれば、出てくる便は細くなるし便秘にもなります。
しかし腸の通り道を細くするほどのがんの場合、大抵お腹の手術や抗がん剤治療が必要になります。
便秘や血便をきっかけに早期に大腸がんを見つけることはとても重要ですが、誰だってできれば大腸がんにかかりたくないし、その前に対処しておきたいものです。
では大腸がんの芽となる大腸ポリープの初期症状とはどんなものでしょうか?
残念ながらほとんどの場合症状が出ることはありません。
大腸ポリープを見つけるには、自覚症状のないうちに大腸カメラをおこなうことが推奨されます。
大腸がん検診でおこなわれる便潜血検査は、便に血が混じっているかどうかを判定する検査です。
ただ検査の精度としてはそれほど高くはありません。
便潜血陽性の方から大腸ポリープが見つかる確率は50%、大腸がんが見つかる確率は3%と言われています。
逆に大腸がんにも関わらず便潜血陰性となる確率(検査1回の場合)は3割程度あると報告されています。
つまり便潜血陽性だから大腸がんや大腸ポリープが絶対にあるわけでもないし、陰性だから大腸がんがないと断定はできないということです。
じゃあどうして便潜血検査をする必要があるの?と思いますよね。
便潜血検査は少なからず大腸がんの早期発見に寄与しています。
また大腸カメラを受けるきっかけにつながるからだと僕は思います。
自覚症状はあるが大腸カメラには抵抗があるという方にとって、便潜血陽性は大腸カメラを受ける後押しとなります。
便潜血検査だけで大腸がんの有無を判断するには不十分ということです。
大腸がんを未然に防ぐには「大腸ポリープの段階で切除しておくこと」が最良の方法とお話をしました。
そしてポリープを切除するためには大腸カメラを受ける必要があります。
特に40歳を超えると大腸がんの有病率が高まるため、40歳までに大腸カメラを受けたことのない方はできれば便潜血検査ではなく大腸カメラをお勧めいたします。
大腸カメラを自覚症状のないうちに受ける必要性に関してはとてもよくわかった。
でもやっぱり不安が強くて検査を受ける気になれない・・・。
その気持ちとてもよくわかります。
大腸カメラというと、検査前に大量の下剤を飲んで、肛門からお腹の中にカメラが入ってくることを想像するだけでも不安になりますよね。
しかし検査をより快適に受けていただけるよう最近では様々な工夫がされています。
下剤にも様々な種類があり、鎮静剤を使ってうとうとしている間に検査をおこなったり、炭酸ガスを使用してお腹が膨れないように工夫している施設もあります。
思っている以上に楽に検査が終わったと感じられる方も多くみえます。
少しでも興味がありましたら、お近くの医療機関にご相談ください。
自覚症状がなくても一度は大腸カメラを受けていただきたいという僕の気持ちは伝わりましたでしょうか。
今まで経験したことのない検査に不安な気持ちを抱くのは当然のことです。
自覚症状があって、もしかしたら悪い結果かも知れないので結果を知るのが怖いと思う方もみえるかも知れません。
毎回皆さんが勇気を持って検査を受けていただいていることに心から感謝していますし、その思いに応えられるようこれからも努力してまいります。
また今回の内容を周りの人に伝えていただくことで、その人が大腸がんで苦しまなくても済むかも知れません。
ぜひ教えてあげてくださいね。
今回は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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