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つらい胃カメラをできるだけ楽に受けるコツ【消化器病専門医が教えます。】

 



今回のテーマは多くの患者さんから質問をいただく「つらい胃カメラをできるだけ楽に受けるためのコツ」についてです。



 皆さんは胃カメラを受けたことがありますか?
胃カメラに対するイメージは人それぞれですが、多くは否定的な意見が多いのではないでしょうか。


・1度受けたけど、辛すぎてもう2度と受けたくない。


・経験はないけど、検査を受けた友人が苦しかったと言っていた。


・のどの反射が強いから多分辛いだろうなぁ。




胸焼けや胃の痛みがあったり、検診で異常を指摘されたり、誰しも一生のうちに一度は胃カメラを受ける機会があると思います。



しかしいざ検査を受けなければいけなくなった時、胃カメラというと気が引けてしまう・・・。



今日はそんな胃カメラに対する不安のある方へ向けて「できるだけ楽に胃カメラ受けるためのコツ」を説明させていただきます。



胃カメラを少しでも多くの患者さんにとって、「2度と受けたくない」検査から「毎年受けてもいいかな」と思う検査に変わればいいなと思います。


今回の話の結論は下記の3つのポイントです。

●胃カメラをできるだけ楽に受けるためのコツ

・鼻からの胃カメラ(経鼻胃カメラ)を選択する。



・麻酔薬を使用して眠ったままの胃カメラを選択する。



・起きたまま胃カメラを受けるにはコツがある。


 ●記事を書いている私のご紹介

この記事を書いている僕は、医師8年目の消化器病専門医です。

市中病院にて胃カメラや大腸カメラをはじめとする内視鏡検査を年間1500件以上行ってきました。

検査を受ける患者さんが納得していただける説明を心がけております。 

それでははじめましょう。


鼻からのカメラ(経鼻胃カメラ)を選ぶ

胃カメラにはカメラを口から入れる経口内視鏡と、鼻から入れる経鼻内視鏡があります。

元々胃カメラには口から入れる経口内視鏡しかありませんでしたが、胃カメラの技術が進み、現在では直径5mmとカメラもかなり細くなり、鼻からカメラを入れることができるようになりました。


実際に当院にて使用をしている経鼻内視鏡ですが、先端の細さは鉛筆の先ほどしかございません。

ではなぜ鼻からの胃カメラで苦痛を軽減することができるのでしょうか?

鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)のメリット


鼻から胃カメラを入れるメリットは3つあります。

①「おえっ」とする感覚(嘔吐反射)が少ない


②検査中に話をすることができる



③麻酔薬(眠たくなる薬)なしでも検査を受けることができる



① 「おえっ」とする感覚(嘔吐反射)が少ない



あまりおすすめはしませんが、指をのどの奥に入れると「おえっ」と吐きそうになるような感覚がします。

内視鏡の口からと鼻からの違い

参考文献:鼻から.jp 



この「おえっ」とする感覚は舌の奥で感じており、口から胃カメラを入れると、ちょうどその舌の奥にカメラが当たり吐きそうな感覚がします。

しかし鼻から胃カメラを入れた場合、舌の奥にカメラが当たりにくく、口からカメラを入れる場合に比べ吐きそうな感覚がしにくくなります。

② 検査中に話をすることができる。



胃カメラ検査中は、ご自身の胃のなかを画面で確認することができます。



口からの胃カメラでは口が塞がっていて話すことができませんが、鼻からの胃カメラであれば検査中話をすることができます。



検査中気になった所見や日頃困っていることなど医師に質問したいことがある場
検査中に背中が痒い時や検査がしんどい時にも、その気持ちを伝えることができます。

③ 麻酔薬(眠たくなる薬)なしでも検査を受けることができる



胃カメラの苦しさを軽減するため、検査中に麻酔薬を使用して眠った状態で胃カメラを行う施設も増えてきました。


当院でも麻酔薬を使って検査を受ける患者さんが多くみえます。


しかしながら麻酔薬を使用すると、当日の自動車や自転車の運転ができなくなってしまいます。また検査後はしっかり目が覚めるまで、院内で1時間程度おやすみいただく必要がございます。


どうしても運転をしなければならなかったり、忙しくて時間がない方は、やむなく麻酔を使用しての胃カメラを断念されます。



そういった方にとって、鼻からの胃カメラは麻酔薬なしでも行える、より苦痛の少ない検査といえます。

鼻からの胃カメラ(経鼻内視鏡)のデメリット



鼻からの胃カメラのデメリットに関してもお話いたします。

鼻からの胃カメラのデメリットは2つあります。

①鼻血が出たり、鼻の奥が狭いとカメラが入らないことがある。
②経鼻内視鏡では画質が劣ることもある。

①鼻の奥が狭いとカメラが入らなかったり、鼻血が出ることがある。



カメラを鼻から入れるので「ツン」と押されるような痛みが出ることがあります。



また鼻の粘膜が弱い方や、血液をサラサラにする薬(血を固まりにくくする薬)を飲んでいる方は、カメラが通過する時に擦れて鼻血が出ることがあります。
通常検査で生じた鼻血はすぐに止まります。



予防としてカメラにゼリーを塗ってすべりを良くしたり、鼻を通過する時は極力優しくゆっくりとカメラを挿入します。



鼻の奥が狭くカメラが入らない場合もごくたまにあります。
無理にカメラを入れると鼻の粘膜を傷つけてしまい、強い痛みを伴うことがあるため、状況に応じて口からの胃カメラに変更することもあります。


②経鼻内視鏡では画質が劣ることもある。



胃カメラの技術が進み、先の細い経鼻内視鏡でもかなりの高画質画像を撮ることができます。



しかしながら径の太い口からの胃カメラ(経口内視鏡)の方が依然として画質としては優れています。



口からの径の太い胃カメラには拡大機能のついているものもあります。
画像を拡大することで、粘膜表面の細かい構造や微小な血管を観察することができます。



詳しい観察が必要な病変であれば、経口からの胃カメラに勝る検査はありません。



胃がん検診のような病気の拾い上げ(スクリーニング)が目的であれば、鼻からの胃カメラでも問題はないと考えます。

麻酔薬を使用して眠ったままの胃カメラを選択する



鼻からの胃カメラよりも苦痛が少ない方法として、麻酔薬を使用して眠ったまま胃カメラをする方法があります。

麻酔薬を使用して眠ったまま胃カメラを受けるメリット



眠ったまま胃カメラを受ける最大のメリットは、「おえっ」とするノドの反射やカメラを入れるときの不快感が少ない点です。



検査前に点滴から麻酔薬を投与し、眠っている間に検査を終えることができます。目が覚めたら検査が終わっていることが多く、毎年麻酔薬を使用して検査をされる患者さんも見えます。



過去に目が覚めた状態で胃カメラをされ、苦い経験のある方にとって麻酔を使用しての胃カメラは苦痛も少なくおすすめします。



眠ったままの胃カメラは基本的には口からカメラを挿入します。



胃カメラがどうしても怖いという方の中には、眠った状態で鼻からのカメラを希望される方も見えます。



しかし鼻からの出血やカメラの画質などの問題を考えると、口からカメラを挿入した方が鼻出血の危険性を回避できますし、より画質の良い口からのカメラを選択する方がメリットが大きいと考えられます。


麻酔薬を使用して眠ったまま胃カメラを受けるデメリット



麻酔薬を使用した胃カメラのデメリットについて説明いたします。

①検査後1時間程度は目が覚めるまで院内で休む必要がある。


②当日の自動車、自転車、バイクなどの運転ができなくなる。


③麻酔が使えない、効かない方もいる。




①検査後1時間程度は目が覚めるまで院内で休む必要がある。


麻酔を使って検査をした後は、目が覚めるまで院内で休んでいただく必要があります。



検査が終わった直後は麻酔が効いているため、そのままお帰りいただくことはできません。



安全に帰宅していただくために、しっかりと目が覚めてまっすぐ歩けることを確認してからご帰宅いただきます。


②当日の自動車、自転車、バイクなどの運転ができなくなる。


検査後しっかり目が覚めていても、その後再び眠たくなることがあります。


交通事故を避けるためにも、麻酔薬を使用した検査後は自動車や自転車、バイクといった乗り物の運転はできません。



どなたかに送り迎えをしていただくか、公共交通機関を利用しての受診をお願いしています。


③麻酔が使えない、効きにくい人もいる。



麻酔薬を使用すると呼吸抑制といって呼吸が遅くなり、体の酸素濃度が低くなることがあります。



検査中は指先で酸素濃度を計測し、酸素濃度の低下が起きていないかどうかを必ず確認します。



COPD(慢性閉塞性肺疾患)や慢性心不全で普段から酸素を吸っている患者さんでは、検査中に酸素濃度の低下が出現する可能性が高いことが想定されます。



また麻酔薬は腎臓で代謝されて尿として体外へ出ていくため、腎機能が著しく低下している患者さんでは麻酔薬の量を調整をする必要があります。



腎障害のない方と同じ量の薬を投与した場合、薬が効きすぎてしまうことがあるので注意が必要となります。



こういった基礎疾患のある患者さんでは場合によっては麻酔薬を使用することができない場合があります。担当医にご相談ください。



また麻酔を使用したものの全然効かない方も見えます。



特にお酒(アルコール)に強い人、普段から睡眠薬を常用している方で薬が効きにくとされています。

【起きたまま胃カメラを受けるにはコツがある。】



起きたまま胃カメラを受けるにはいくつかコツがあります。

① 検査は5−10分と短く、必ず呼吸ができることをイメージ


② のどを越えるまではアゴをあげ、のどを越える時は「ごくんっ」と飲み込む


③ 検査中は肩の力を抜いて、目はあけてボーッと遠くを見る。



① 検査は5−10分と短く、必ず呼吸ができることをイメージ



胃カメラにかかる時間はおよそ5-10分程度です。
とても長い時間検査をすることを想像される方も中には見えますが、検査の時間は案外短いです。



また初めて検査を受ける方の中には「呼吸ができない感じ」がしてパニックになってしまう方も見えますが、心配ありません。



検査中は必ず呼吸をすることができます。
口からカメラが入っていても鼻で呼吸はできますし、鼻からカメラが入っていても口から呼吸をすることができます。
カメラ自体が入ってるのは消化管という食事の通り道ですので、呼吸の通り道を塞ぐことはありません。



検査前にイメージをすることで気持ちを落ち着かせることはとても重要なことです。


② のどを越えるまではアゴをあげて、のどを越える時は「ごくんっ」と飲み込む



カメラ鼻から入れるときは、軽くアゴを上げて「モノの匂いを嗅ぐような格好(医学的にはスニッフィングポジションと言います。)」をとると、カメラが無理なく入りやすくなります。



また胃カメラの際はのどに麻酔がかかっていて、ものを飲み込みづらい感覚があります。



検査中は唾液を誤飲しないよう口に溜まったら全て吐き出すようにします。



しかしのどを越えるところだけは「ごくんっ」とカメラを飲み込むとスムーズに入ります。



のどを越えるところが検査の中でもつらい場面と言われており、少し患者さんの力をお借りすることで無理なく検査を進めることができます。



のどを越えたらアゴは引いて検査を続けましょう。


③ 検査中は肩の力を抜いて、目をあけてボーッと遠くを見る。



検査中最も大切なことは「リラックスすること」です。



なかなか口や鼻から胃カメラが入っているのに、リラックスなんて難しいというご意見も痛いほどわかります。私自身も胃カメラを受ける時は、少なからず緊張しますし心臓もバクバクします。



しかし体に力が入ってしまうと不思議としんどくなってしまったり、のどに力が入ってカメラが通過しにくくなることをしばしば経験します。



つらい時ほど目を開けてボーッと遠くを見るような形で検査を受けましょう。


まとめ

・胃カメラを楽に受けるには鼻からの胃カメラか、鎮静剤を使用して口から胃カメラを受けましょう。

・時間に余裕がある方、自動車などの運転の予定のない方は鎮静剤を使用した胃カメラが最も苦痛の少ない検査です。

・検査に対するイメージと検査中のテクニックが検査を楽に受けるコツです。



当院では患者さんにより楽に検査を受けていただけるよう、鼻からの胃カメラや鎮静剤を使用した胃カメラに対応しております。



検査に関する疑問やお腹の症状で気になることなどございましたら、気軽にご相談ください。

名古屋市中川区山王 水野クリニック
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