高血圧の薬は一生飲まないとだめ?【やめてもいいケースもあります。】



こんにちは、水野クリニックの水野創太です。



高血圧の薬を飲み始めるにあたって、結構な人が不安に思っていることがあります。



それは『高血圧の薬は一生飲まないといけないんじゃないか?』という問題です。




高血圧の薬は飲み始めたら一生飲まないといけないって聞きました。




こんな不安を抱えてしまうと、治療の第一歩を踏み出せなくなっちゃいますよね。





そこで今日は皆さんに少しお話があります。




仮に高血圧の薬を始めたとしても『薬をやめることのできるケースがある』ということを皆様には知っていただきたいです。



今回は、高血圧の薬をやめることのできるケースについて詳しく説明いたします。


血圧を下げる理由は動脈硬化を防ぐため





なぜ、高血圧の薬を飲む必要があるのか?




答えは『高血圧による動脈硬化で、心筋梗塞や脳梗塞などの病気が起きるのを予防するため』です。



「そんなの耳にタコができるくらい聞いているよ。」と思いますが、もう少し我慢して聞いていただけると助かります。




多くの場合高血圧は自覚症状がありません。




私たちの知らないところで少しづつ血管にダメージを与え、ある日突然血管が詰まったり、破れたりして心筋梗塞や脳出血を起こします。





格闘技のボディーブローのように少しづつダメージを与え、気づいたらダウン寸前といった具合になるのです。






そんな大切な薬なのになぜ飲み忘れたり、途中で飲むのをやめてしまったりするのでしょうか。





多くの人が血圧の薬が続かない原因の1つに「症状がない」ことが挙げられます。





「喉が痛い」




「咳が止まらない」




「熱が出た」



こういった症状があるときは皆さん薬をしっかり飲みますよね?






でもまったく症状が出ない高血圧は病気を自覚しにくく、薬を飲むのを忘れてしまったり、途中でやめてしまったりしやすいわけです。






風邪や喉の痛みは症状が改善することで薬の効果を実感します。






しかし血圧の薬の効果があったかどうかは、心筋梗塞や脳梗塞にならずに済んだかどうかで判断します。





なので究極的には一生を終えるまでその効果はわからないのです。




血圧の薬が「一生飲まないといけない」と言われる理由



血圧の薬をやめることができない理由は『薬をやめると大多数の人で血圧が再び上がるから』です。




一般的に年齢を重ねるにつれて血圧は高くなります。




そして年齢と同じくらい、食生活や運動習慣が血圧に与える影響は強いことが知られています。




そうです。何を隠そう、






高血圧の治療の大原則は食事、運動、睡眠です。







この3つがうまくコントロールできていない、あるいはできているけども血圧が高い人が薬を必要とします。





薬はあくまで「補助」なんです。






ただ人間というのはなかなか慣れた生活を変えることが難しい生き物です。






飲み会の帰りにシメのラーメンを食べたり・・・




つい小腹が空いてスイーツに手が伸びてしまったり・・・





僕もついお腹が空くとコンビニに行って小さいチョコに手が伸びます笑







いつも通りやっていることを我慢して、さらにそれを継続させることができる人はそれほど多くはいません。






だから薬の力を借りつつ生活する方が好きなものも食べることができるし、血圧もコントロールしやすいので薬を飲まれる方がほとんどです。




血圧の薬をやめてもいいケース

血圧の薬がやめられない理由はよくわかった。それでもやっぱり一生飲むのは嫌だよ。


こう考える方に血圧の薬をやめてもいい2つのケースをご紹介します。



①医師の指示のもと、生活習慣が改善されて血圧コントロールができている場合





まず大前提として、血圧の薬をやめるかどうかはかならず医師の指示を受けてください。




医師は薬を処方するとき必ず血管リスク(心筋梗塞や脳梗塞を起こす可能性がその患者さんでどれほど起きうるか)を考えて処方しています。




例えば60代で脳梗塞を起こしたことのある患者さんの場合だと、目標とする血圧は家庭血圧で125/75mHg未満となります。





収縮期血圧が140mmHg前後だから大丈夫だと思って薬を自己判断でやめてしまうと、脳梗塞の再発リスクを上げてしまいます。



医師と相談の上、血圧の薬を飲まなくても良いくらい血圧が安定している場合には血圧の薬をやめることもできます。


②季節によって血圧が変わる場合



一般的に冬は気温が低く、血管が収縮しやすいため血圧が上がりやすくなります。




逆に夏は気温が高く、血管が拡張して血圧が低くなる傾向にあります。



こういった季節の変化に合わせて薬を調節するケースもあります。(もちろん医師との相談をした上ですよ。)



例えば血圧が高くなる冬だけ血圧の薬を飲んでいる方や、血圧の薬を夏は1種類、冬は2種類というように調節をしている患者さんもみえます。




血圧の薬をやめない方がいいケース


残念ながら血圧の薬をやめない方がいいケースもあります。





それは脳梗塞や心筋梗塞などの血管の病気を持っていたり、腎臓病のある患者さんです。





一度病気になったことのある患者さんは、高血圧だけで薬を飲んでいる人に比べて病気の再発する可能性が高くなります。





重いものを持った時やトイレでいきんだ時などふとした瞬間に血管に負担がかかることで脳梗塞や脳出血などの血管の病気を引き起こします。





たとえ病気を発症しなかったとしても、血管にかかるストレスは極力抑える必要があるため血圧の薬を飲み続ける必要があります。


血圧の薬をやめても続けること




血圧の薬をたとえやめられたとしても、コツコツと継続しなければいけないことがあります。




これは普段から高血圧の薬を飲んでいる患者さんにも十分当てはまることなのでぜひ参考にしてください。




正しい食生活


血圧の薬を再び飲まなくてもいいように、これまで以上に食生活に気を配る必要があります。

特に血圧を上げるような塩分の高い食事は避けて、不摂生な食事にならないように注意しましょう。




運動


適度な運動にも血圧を下げる効果があります。


今はコロナ禍でなかなか外に出ることはできませんが、周囲に人がいない状況での散歩や自宅の中でもスクワットをするなど運動を続けましょう。




血圧を測ること


血圧を意識する機会を増やすために毎日血圧を測りましょう。


薬をやめてからまた血圧が上がってこないかを確認する意味合いもありますが、測定するだけで食事や運動に意識が向く効果があります。


まとめ




それでは今日のまとめです。





  ・血圧の薬は動脈硬化を抑える


  ・薬をやめることができることもある


  ・薬をやめても生活には気をつける





いかがでしたか?






高血圧の薬を始めることとなった方は、薬の補助を受けなくても良くなるように食事や運動習慣を見直しましょう。






結果的にたとえ薬をやめることができなかったとしても、その努力は無駄になることはありません。







日々の努力の積み重ねが必ず血管に良い効果を与え、病気の発症を予防します。







薬をやめたいんだけど先生に叱られたらどうしよう・・・。








患者さんには医師に気になったことを聞く権利があります。








言いづらいことでも何でも相談してくださいね。







それでは今回はこの辺で✋


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