2020年を振り返る【クリニックの役割と目標】
こんにちは。
水野クリニック、医師の水野創太です。
今年も気がつけばもう暮れですね。
歳を重ねるごとに1年が本当に短くなっていく気がしています(笑)
2020年は何と言っても新型コロナウイルス感染症により私たちの生活が一変しました。三密を避け、どこに行くにもマスクを装着する生活は今や日常化しています。
感染がいつ終息するか見通しがつかず、しばらくはこの生活が続きそうですが、今後も地域の拠点として活躍できるよう尽力してまいります。
もう1つ今年は私にとって大きな転機でありました。
これまで勤めていた病院を退職し、4月から当院で勤務することとなりました。
4月に赴任してから早9ヶ月、地域の方々に支えていただきながら数多くのことを学ばせていただいております。
基幹病院で勤務をしていたときとは違い、より近い距離で患者さんとお話ができ、質問をいただくことが増えました。
赴任してからの短い期間ではありますが、自分なりに感じたことや今後の目標などをお話ししたいと思います。
目次
大きな病院で働いていると、患者さんの「予防」よりも「治療」を経験することが多いです。
それは決して「予防」を軽視しているわけではありません。
どうしても患者さんの予防医療に接する機会が少ないのが現状です。
例えば近所のクリニックで胃カメラをして胃がんが見つかった場合、紹介先の病院で担当する医師は胃がんになった後の患者さんを診療します。そして患者さんの血液検査、胃カメラ、大腸カメラ、CT画像などを行い、あらゆる情報から患者さんにとってベストな治療を選択します。
私も消化器内科医として基幹病院に勤務をしていたため、このように患者さんの「治療」に関して繰り返しトレーニングをしてまいりました。
これは今の日本の病診連携システム上しかたのないことだと思います。
「地域の診療所で病気を見つけ、大きな病院で治療をする。」
少子高齢社会を支えていく上で一番理想的なスタイルであるためです。
そこが病院と診療所の機能で異なる部分です。
みなさんは「風邪になって初めて健康の大切さを知る」という言葉を聞いたことはないでしょうか。病気になることで、何気ない健康な生活が実はかけがえのないことであると知らされる良い例です。
風邪のような完全に治る病気ならいいですが、これが今後一生付き合っていかないといけないような病気だと少し考え方が変わりますよね。
ここに2011年のLancetと呼ばれる有名な医学雑誌に掲載されたデータがあります。
【日本人のリスク因子別死亡者数】
1位:喫煙
2位:高血圧
3位:運動不足
4位:高血糖
5位:多い塩分摂取
6位:飲酒
7位:ヘリコバクターピロリ菌
8位:高LDLコレステロール血症
(Ikeda N, et al.Lancet 2011;378(9796):1094-1105)
このデータは何が原因で死亡者が出たかを数値化した表です。
みなさん聞き覚えのあるものばかりがランキングしていますよね。
1位の喫煙ですが、タバコが体に悪影響を及ぼすのはみなさんも周知の事実であると思います。そのほかにも高血圧や運動不足など意外と身近に遭遇することばかりです。
でも私が本当に着目していただきたいのはランキングではなく
どれも無症状なものばかりということです。
血圧が高くても症状はまず出ませんし、運動不足でも特に危機感を感じることはありません。
食事が少ししょっぱかったりしても、まさかそれが死と関係しているなんて誰も思いませんよね。
一見健康そうに見えても、そろりそろりと病は忍び寄ってきます。そして一度病気になってしまうとさらに次の病気を心配する必要が出てきます。
例えば糖尿病になったとき、次は神経障害や網膜症や腎障害が起きないかどうかを気にする必要があります。
それ以外にも感染が長引きやすかったり、心筋梗塞や脳梗塞の発症がないように注意する必要が出てきます。
病気になってからではなく、なる前に対策をとることの重要さがわかっていただけたでしょうか。
当院は外科・整形外科疾患をはじめ、内科・皮膚科疾患の診療にも対応をしております。2020年からは胃カメラ、大腸カメラを導入し、より多くの患者さんに選択肢を広げていただけるようになりました。
これだけ幅広く診療をするには理由があります。
それはなんでも困った時に相談できるかかりつけ医でありたいという思いがあるからです。
例えば高血圧で受診している方が足の水虫受診した場合、足の診察ができないと他院へわざわざ受診をしていただかなければいけません。
また些細な症状が実はその裏に潜む病気の氷山の一角であることもあります。日頃から幅広く診療をすることでいち早く病気のサインに気づき、必要に応じて専門医へ紹介をすることができます。
さて前述したように、病気になる前は基本的には無症状です。
無症状の段階で未然に病気を発見し予防をするのが当院の役割であると考えております。高血圧や糖尿病、脂質異常症など慢性疾患の原因となる病気を発見するだけでなく、次に起こりうる病気の予防にも努めてまいります。
私個人としましては
「クリニックのある中川区から胃がん、大腸がんで苦しむ人をゼロにする」
というのが1つ目標にあります。
この2つのがんは、検査を行うことで最小限の治療にとどめることができます。
胃がんの9割に関係するヘリコバクター・ピロリ菌は、60歳を超えると半数以上の人が感染をしていると言われます。定期的な胃カメラとピロリ菌除菌を行うことで胃がんになる可能性を下げることができます。
大腸ポリープは何年もかけて大腸がんになります。がんになる前にポリープを切除しておくことで大腸がんになる可能性をぐんと下げることができます。
とはいえカメラ検査を受けるのは、みなさんの中でも高いハードルがあるかと思います。検査の重要性を伝え、苦痛なく検査を行うのが私の任務です。
来年もより一層患者さんにわかりやすい説明ができるよう努力してまいります。今後ともよろしくお願いいたします。
休診日木曜午後/土曜午後/日・祝祭日 最終受付は診療終了の15分前となります。
胃→胃カメラ 大腸→大腸カメラ
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