足の水虫(足白癬)を長引かせないために知っておくこと【家族のためにもできること】



今回は水虫(足白癬)治療に関してお話をさせていただきます。


水虫と聞くとあまり自分には関係ないと思われるかもしれませんが、実は皮膚科の初診患者さんの10人に1人は水虫です。


ですので決して他人事ではないんです。


そして足の水虫(足白癬)治療をされている方の中には


・水虫の薬をつけているけど、なかなか良くならない。

・いつまで薬を塗り続ければいいの?

・一回良くなっても、また夏になると水虫になる。




こういった悩みをお持ちの方が多くみえます。


今回はそんな方に向けて、足の水虫(足白癬)の治療を長引かせないために気をつけたいポイント説明いたします。


ポイントを理解するとただ単に薬を塗るだけでなく、より治療効果を高めることができ、治療期間も短くなることが期待できます。


今回のポイントは下記の4つのポイントなります。




●足の水虫(足白癬)の治療を長引かせないためのポイント

・薬は症状のないところにもしっかり塗る

・自覚症状が無くなってもしばらく薬は塗り続ける

・靴、靴下を履いている時間はなるべく短くする

・温泉や銭湯のマットにはほぼ100%白癬菌がいることを知る




●記事を書いている私のご紹介


名古屋市中川区、名鉄山王駅前の水野クリニック医師の水野創太です。

普段は診療所にて内科、皮膚科、整形外科、外科など幅広い範囲の患者さんを診察しています。

日常の気になる症状などに対して、患者さんにわかりやすい説明ができるように心がけています。


目次



そもそも足白癬(水虫)とは真菌と呼ばれるカビの一種



水虫は「虫」と名前がついているので、足の生えた目に見えない虫が原因だと思っている方もいるかもしれません。


しかし水虫(足白癬)の原因は真菌と呼ばれるカビの一種とされています。


カビはなかなかしぶとい


一般的に感染の原因となる「ばい菌」にはいろいろ種類があります。

治療には抗生物質が使用されますが、カビ(真菌)は抗生物質が効きにくく、なかなかしぶとい存在なんです。


薬が浸透しにくくかったり、効果が出るまで時間がかかるケースもしばしば経験します。


体の至るところに感染しうる


水虫の原因となる白癬菌は、ケラチンと呼ばれるタンパク質を栄養とします。


ケラチンは皮膚の表面にたくさん存在するので、理論上ヒトの皮膚の上であれば白癬菌は生きることができます。


つまり皮膚があるところならば、体中どこでも白癬菌は感染しうるということです。


日常診療でよく経験するものには次のようなものがあります。


【足白癬】
足のウラや指の間に感染して、痒みや水疱といった症状が出るものを足白癬といいます。

足白癬は白癬症の中で最も頻度が高く、いわゆる水虫のことを指します。


【爪白癬】
足白癬が進行すると、爪に感染をして爪白癬となります。

爪の色が白く濁ったり、爪が分厚くなってボロボロと崩れやすくなったりします。


【臀部白癬(インキンタムシ)】
「インキンタムシ」の名前で知られる臀部に感染した白癬をいいます。


【手白癬】
白癬菌は手にも感染します。特に指の間に感染して、我慢できないくらいの痒みを伴います。市販の薬を塗っていても症状が良くならず、受診をされる患者さんも多くみえます。


これ以外にも白癬菌が頭に感染した頭部白癬(別名「しらくも」)や体に感染した体部白癬などもあります。


触ってもすぐには感染しない



カビに触れるとすぐに感染してしまうんじゃないかと心配になるかもしれませんが、実はそんなことはないんです。


カビは皮膚に触れてから感染するまでに24時間程度かかるといわれています。


1日1回の入浴で、足の裏についたカビをきれいに洗い流すことが感染予防につながります。


足の水虫(足白癬)の治療を長引かせないためのポイント




それでは足の水虫(足白癬)の治療を長引かせないために、気をつけておきたい具体的なポイントをご説明します。



症状がなくなってもしばらくは薬を塗り続ける





足の水虫で受診される患者さんの多くは皮膚の見た目の変化に気づいて来院されます。

「足の裏がカサカサしている」

「足の指の間がジュクジュクしている」

「とにかく足が痒い」

足白癬に対する治療には、まずは足に塗る外用薬(塗り薬)を処方されることが多いです。



塗っていると早い方で2週間程度で症状が改善します。


症状が良くなると薬をやめてしまう方がいますが、実際に白癬菌が完全に消えてなくなるまでにはしばらく時間がかかります。


白癬菌は夏の暖かい季節になると出現し、冬の寒い時期になると少しづつ減ってきます。


症状がなくなって足の裏に残っていた白癬菌が、夏になって再度増殖して症状が出現することもあります。


症状がなくなってからも少なくとも3ヶ月〜6ヶ月以上は薬を塗り続ける必要があります。


薬は症状のないところにもしっかり塗る





一見症状のあるところにだけ白癬菌がいるものと思いがちですが、白癬菌は症状のない部分にも住み着いています。


薬を症状のある部分にのみ塗っていると、症状のない部分に住み着いた白癬菌をそのままにしてしまいます。


たとえ症状が足のかかとだけであっても、足の裏全体、指のあいだにまんべんなく薬を塗りましょう。


薬の減り方の目安としては、1本10gのチューブであれば2週間でなくなるようなペースで塗っていただくのがちょうどいい量の使い方です。


靴、靴下を履いている時間はなるべく短くする





足の裏についた白癬菌は蒸れた環境で増殖します。


つまり靴や靴下を長時間履くことは白癬菌にとって好条件となるわけです。


毎日同じ靴を履くよりも2-3種類の靴をローテーションして履いた方が菌の増殖を抑えることができます。


また靴は定期的に中を拭いて、日光に当てると殺菌効果も期待できます。

自宅にいるときはなるべく靴下は避け、外出するときはサンダルなどの通気性の良いものを履くことをおすすめします。



温泉や銭湯のマットにはほぼ100%白癬菌がいることを知る




温泉や銭湯には足白癬の方が不特定多数訪れます。中には足白癬であっても症状のない未治療の方もみえます。


ゆえに共同で使用したマットや脱衣所には必ずと言っていいほど白癬菌がいます。


こう説明すると「怖くて行けないよ」と思うかもしれませんが、前述したように白癬菌が足の裏について感染するまでには24時間ほどかかります。


共同マットの使用を避けたり、足の裏を再度清潔にするなどして利用しましょう。


そしてこれは銭湯や大衆浴場でのみ当てはまることではありません。
自宅に足白癬の患者さんがいる家庭でも、共同マットや床に白癬菌がいます。


他の人へ白癬菌がうつらないように、共同マットの使用は避けることをおすすめします。

まとめ

・白癬菌は思っている以上になかなかしぶとい

・薬は症状のないところにも、症状が消えても塗り切ること

・白癬菌は他人と共有する場所であれば、どこにでも存在しうる




足白癬の治療はただ薬を塗るだけでなく、その塗り方の工夫や生活習慣の改善が治療効果を左右します。

一度の治療でしっかりと完治できるよう気長に治療を行いましょう。

名古屋市中川区山王 水野クリニック
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